土地の境界とは、ある土地と隣接する土地との境をいい、「公法上の境界」と「私法上の境界」に分けられます。
「公法上の境界」とは、ある土地が登記された時に地番が付されますが、その地番に従って、一筆ごとに区画されている境をいいます。これを法律上、筆界といいます。
筆界は、「公法上の境界」という名のとおり公のものであるため、当事者の合意のみによっては変更できず、仮に相隣者間で筆界を定めた事実があっても、筆界自体は変動しません(最高裁二小判昭32・12・28民集10巻12号1639頁)。
「私法上の境界」とは、所有権などの私権について、隣接する権利者間の権利の及ぶ範囲のことを意味します。
これを所有権界といい、所有権界は、土地の一部を時効取得する場合など、当然に変動します。